HACCP(ハサップ)の2つの基準】

HACCP(ハサップ)には、「HACCP(ハサップ)に基づく衛生管理」「HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理」という2つの基準がありますが、ここでは、その2つの基準について解説します。

【①HACCP(ハサップ)に基づく衛生管理】

《概要》
国際機関であるコーデックス委員会HACCP7原則に基づき、食品事業者自らが使用する原材料や製造方法に応じ、衛生管理の計画を作成し、管理を行うものです。

《対象事業者》
以下【②HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理】の対象とならない中・大規模な事業者が対象となります。

《導入手順》
コーデックス委員会によるHACCP適用のガイドラインでは、以下の7原則12手順によりHACCPを導入します。
手順1:HACCPチームの編成
手順2:製品説明書の作成
手順3:用途・対象者の確認
手順4:製造工程図の作成
手順5:製造工程図の確認
手順6(原則1):危害要因の分析
手順7(原則2):重要管理点(CCP)の決定
手順8(原則3):管理基準(CL)の設定
手順9(原則4):モニタリング方法の設定
手順10(原則5):不具合発生時は改善措置
手順11(原則6):定期的に見直す検証
手順12(原則7):記録の文書化と保管

【②HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理】

《概要》
国際機関であるコーデックス委員会のHACCP7原則の考え方は取り入れながらも、簡略化された手法による衛生管理です。
これまでHACCPは、主に食品製造業の事業者に整備が進められてきましたが、飲食店や販売店など小規模も含めた事業者にもHACCPの考え方を導入することによって、衛生管理が見える化され、より効果的な衛生管理を行うことができるとされています。
この手法は、米国FDA(米国食品医薬品局)が発表した「小売業者向けHACCPの原理を利用したマニュアル」の考え方を参考にしたものです。

《対象事業者》
飲食店小規模な製造・加工事業者などが対象となります。
具体的には、政令で定められる予定です。

《衛生管理の見える化とは?》
これまでの手洗い、清掃、従業員の健康管理など一般衛生管理に関する取り組みと、メニューに応じた管理方法を定めた衛生管理計画を作成し、実行・記録・確認することです。

《導入手順》
①衛生管理計画の作成
「一般的衛生管理」と「重要管理」に分けて、衛生管理計画を作成します。
「一般的衛生管理」とは、どの食品についても行うべき共通事項で、具体的には、原材料の受入の確認、冷蔵・冷凍庫の温度の確認、交差汚染・二次汚染の防止、従業員の健康管理・衛生的作業着の着用、衛生的な手洗いの実施などです。
また、「重要管理」とは、食品の調理方法にあわせて行うべき事項で、非加熱のもの、加熱するもの、加熱後冷却するもの等の3グループにメニューを分類し、それぞれにチェック方法を決めます。
②計画に基づく実施
上記の「衛生管理計画」に従って、日々の衛生管理を確実に実施します。
③確認・記録
「一般的衛生管理の実施記録」と「重要管理の実施記録」の各帳票に、実施結果を記録します。

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